2015年7月27日

手で描く!指で描く!「木炭デッサン」

横浜美術学院の中学生教室 美術クラブ 手で描く!指で描く!「木炭デッサン」1


6月の美術クラブは、木炭を使ったデッサンを行いました。


”木炭”は、鉛筆よりも以前から使われていた歴史のある画材ですが、現代では絵画や彫刻の受験で使われる以外は出番があまりない画材です。


この先デザインを勉強していく生徒は、今後あまり触れることがないかもしれませんが、画材としてはとても優れたものなので、今回の経験はとても貴重ではないかと思います。美術クラブでは少なくとも年に1回くらいは木炭デッサンを行いたいと考えています。


横浜美術学院の中学生教室 美術クラブ 手で描く!指で描く!「木炭デッサン」 木炭の使い方のレクチャー
木炭の使い方のレクチャー

ここで、木炭の特徴を少々説明しましょう。

  • 黒の色が、非常に強いです。鉛筆では、この黒には太刀打ちできません。
  • 描いたものを消すのがとても容易なので、何度でも描き直しができます。
  • 色の濃淡(調子)の調整は手や指で行います。
  • 紙に直に触って描くので、作品の中の空間や質感などを表現する気持ちが自然と強くなります。
  • 鉛筆に比べるとちょっと太さがあるので、細部の描き込みが苦手です。細部は消し具(パン)を使って描くことも必要になります。
  • 手や指で押さえて擦って、ガーゼやパンなども使い、とても単純な方法で、とても複雑な表現ができます。

その他にもまだ沢山あるとは思いますが、だいたいこんな感じでしょうか。


レクチャーが終わると、それぞれが見よう見まねで描き始めました。


横浜美術学院の中学生教室 美術クラブ 手で描く!指で描く!「木炭デッサン」 制作風景
制作風景



今年から通い始めた生徒にとっては、今回が初めての木炭デッサンでした。4日間のうち、前半の2日間は木炭に慣れるだけで精一杯だったと思いますから、それを考えると良く頑張ってくれました。


これからも初めての画材に遭遇することは沢山あるでしょう。でもそんな時は、頭で理解するだけじゃなくて、身体で体験することもすごく重要なんです。画材が変わっても、感覚や知識まで変える必要はなく、今までと同じように初めての画材を扱ってみるという経験が大切ですよ。


新しい画材にチャレンジして、自分なりに工夫して自分なりに使いこなすことは、今後の制作にも大きな力になるはずです。まずは自分で試す気持ちが、作品のクオリティーを押し上げます。細かいことを習うのはその後でも充分です。


まさに『習うより慣れろ!』ですね。


横浜美術学院の中学生教室 美術クラブ 手で描く!指で描く!「木炭デッサン」 制作終了後の講評会の様子
制作終了後の講評会の様子


今回のモチーフは、あまり形が小綺麗に整っていない『流木』の根っこをメインにしました。それは、「そのモチーフらしさ」を捉えるトレーニングになるからです。


自然物には同じ形はそう簡単には出てきません。もし、そっくりコピー&ペーストしたような形が繰り返し描かれていたら嘘っぽく見えてしまうでしょう。経験がある生徒ほど、そういった印象のズレや形のズレに敏感になってきますから、何度も描き直すようになります。そうして観察力が上がっていくわけです。


それぞれの感覚で自分なりに流木の質感を表現している生徒が多く、一枚の作品にこれだけのエネルギーを注ぎ込める強さに拍手を贈りたいです!


横浜美術学院の中学生教室 美術クラブ 手で描く!指で描く!「木炭デッサン」 作品1

横浜美術学院の中学生教室 美術クラブ 手で描く!指で描く!「木炭デッサン」 作品2

横浜美術学院の中学生教室 美術クラブ 手で描く!指で描く!「木炭デッサン」 作品3



作品制作には技術や教養・知識なども必要ですが、今回のように気持ちの力で進んでいく動き方は何より大事です。これからも「自分の作品を、自分の責任で、自分の力で完成させる」ことを大切に制作してもらえればと思います。


皆さん、それぞれ良い作品になりましたね!