2016年2月20日

こんなところまで描く!?「靴の細密デッサン」




新年一発目、1月の課題は「細密デッサン」です!


みんなが普段履いている「靴」を、いつもより小さいB4サイズの画用紙にデッサンしました。


普段の静物デッサンでは、台の上に既にセットされたモチーフを様々な角度から見て、一番描きたい位置を決める “ 場所取り ” からスタートしますが、今回は初めからモチーフは自分の目の前にあり、縦にも横にも靴の向きをぐるぐると自由に動かすことができます。
細密デッサンは、その名の通り「細かく詳しく描写すること」です。


こんなところまで描く!?というところまで描き込んでいきます。




みんなの用意した靴は、スニーカー・ブーツ・ローファーと、色々な種類がありました。それぞれに組み込まれた紐・革・ゴム・毛皮・金具・布などの様々な素材は、質感の違いを描ける大事なポイントです。しっかり利用し、描き込んでいくことを意識した構図を決めていきましょう。


靴をぐるぐると観察し、構図が決まったら、どんどん描き進め、着実に作り上げていきます!

まずはクロッキー帳にエスキース

モチーフをセットし、構図を決めていきます

描き出しの様子です




細密デッサンはどこまで細密に描くべきかを自分で線引きをしてしまうと、決して上手くいきません。


しかし、B4サイズという小さい画面、モチーフも靴の片足分のみ。なのに作業時間は先月と変わらない…作業を進めるにつれ、小さな単位に費やす時間がいつもよりずっと長いということを実感したのではないかと思います。こんなに描いたんだから充分だろう、と途中、そんな瞬間もあったかもしれません。ある程度靴の形が見えてくると一度手が止まってしまうことは、誰でも経験することです。今回も、そういう人がいてもおかしくないなと思っていましたが、そんな懸念の中、みんな手を止めずに描き続けていたのがとても印象的でした。


革靴の独特の質感に注目しています

くたっとした形をうまく表現したい



用意してもらったのは、靴は靴でも「いつも履いている靴」です。本来その靴が持っている構造や素材の他に、履いたことでついたシワであったり、汚れやスレ、足の形や歩き方によるヨレなどがあるはずです。それも靴らしさの大事な要素です。人の顔を描くとき、つるんとして整った顔の形だけを描くとお人形のようになってしまいます。笑い皺や、表情の癖、そういう味が、その人をリアルなものにしてくれます。靴も同じです。


細密デッサンはそういう突っ込んだところに挑む絶好の機会です。
確かにそこにあるものなのに、意識をしないと見えなかったりします。物を描くのがうまい人と、そうでない人の違いは単純で、そこにある物に気づいているか気づいていないか、気づいたことをちゃんと汲み取っているか、それだけなのでは、と思います。


みんなは、それに自ずと気づき取り組み始めているように感じました。



スニーカーなどの紐靴は描きどころが多い

ブーツのふわふわした質感をどう出すかがポイントです





先月の絵の具をぶちまけて身体と気持ちを大きく動かしたアートトレーニングとは対称的な、細密デッサンのミクロな世界に没入するような作業。一見真逆にあるような二つの作業工程ですが、大きな画面で身体を使って描いてから小さな画面で描くのと、それを経験しないで描くのとでは、全く物の見え方が違ったのかもしれません。


完成した作品を並べてみると、どの靴も、密度のあるいい味が出ています!


大から小までを見れる、みんなのフットワークの良さを感じました。


来月からは、自由制作です。今まで培った力が必ず助けになってくれるはずです。楽しみにしています!


講評会の様子