2017年11月13日

言葉からイメージするデッサン『家』2017



こんにちは、美術クラブ講師の依田です。
10月の美術クラブは、与えられた言葉から発想する「想定デッサン」を行いました。


静物デッサンとの違いは、モチーフの選び方から構成まで全て自分で設定するということです。そのため、認識が曖昧な部分があるとなかなか手が進みません。各自資料を集めるなど、フットワークの軽さが求められました。それだけ本人の持っているイメージが直接現れてくる課題ということですね。


今回のテーマは「家」
どんな作品ができたでしょうか、何点か紹介していきたいと思います!



中学2年生の作品です。
家の中のありふれた場面を大胆に切り取って作品にしています。ありふれているもの、取り立てて美しくないものの中にも面白さ、美しさを見出すという姿勢はクリエイターには必要な能力です。良い着眼点ではないでしょうか。L字の空間設定(壁と床)、無機質な質感の中に流動的に配置されているコードのリズムの良さなど、絵画的な面白さが満載です。



中学3年生の作品です。
こちらも非常に高い完成度の作品です。メインは壁のらくがき(わざと利き手ではない左手で描いています!)ですが、その稚拙さを強調するための周囲のソファやカレンダーなど、細部まで神経を使って描き込まれています。その「対比」がこの作品の肝です。それが最後までブレずに表せた良い例だと思います。また、家という説明に終わらず、そこで育まれている空間まで想像させてくれる、味わい深い作品だと思います。



中学2年生の作品です。
クマのぬいぐるみですね(^ ^) 少し寂しげな、なんとも言えない表情をしています!ただ、この作品はその可愛さに引っ張られない、確かな描写力が魅力です。ぬいぐるみの持つ構造体としての物質感や、クールに設定された周辺の寝具の表情。それらの支えがあるからこそ、絵画としての空間の面白さが先に見えてきます。それがなければ、いくらクマさんが可愛く描けても良い作品とは言えないでしょう。リアルな説得力を感じさせてくれる一枚です。



中学3年生の作品です。
何やら心象風景のようなイメージですが…実際に自宅で紙を吊るして展示しているそうです(^^) 一般的な家のイメージからは少し外れるかもしれませんが、非常に丁寧に手数を重ね、魅力的な空間を表現している作品です。吊るされている紙のリズム感、奥行きを感じさせる背景、そこに見え隠れする人物の描きこみなど、たくさんの見所があります。少し不思議な設定でも言い切る描写力は強いですね!



中学2年生の作品です。
ダイニングキッチンの一場面。丁寧に一つひとつ描かれた小物に注目です!少し乱雑な様子が感じられます。決してモデルルームのように整然としていないところがこの絵の魅力です。家と言われて、ただ家を描いても何も面白いことはありません。そこに立ち上る生活感や歴史など、鑑賞者の想像力や記憶を喚起できるか?はポイントだと思います。この作品は、直接的でなくても、そこで暮らす人のことを感じさせる工夫が凝らされています。



テーマを受けてイメージを膨らませる。この時間が大事。

どんな絵にするかを先生と相談しながら進めていく。

テーマ『家』にちなんだモチーフを探し出して描いています。

普段から良く知っていたり興味のあるモチーフを選ぶと、描くのが楽しくなる。

自分が思い描いている世界観を絵にしてみる。

何に興味を持って描いていたか、それに対してどういう演出すると良いかをアドバイスしていきます。


その他紹介しきれませんが、ミニチュアハウスや水槽(家は人間の家だけじゃないですよね!)などおもしろい答え方の作品がたくさんありました!


また、受験対策チームの方もかなりの完成度で静物デッサンを終えることができています。良い滑り出しですね。11月から卓上デッサンを集中的に対策していきます。頑張りましょう!


受験対策チームのデッサン練習。制作前半の様子です。良く画面全体が見渡せています。

制作終盤の様子。難しいサッカーボールですが、細かいディテールまで誤魔化さずに丁寧に描いています。



11月の美術クラブは巨匠の作品の模写で、古典技法に挑戦です!
現代でも得るものはたくさんあると思います。
楽しみですね〜◎